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術後の合併症

術後の合併症

手術をどれだけ丁寧かつ完全に行ったとしても、少ない確率ながらも合併症は起こり得ます。無用な合併症を避けるためにも術後の安静はとても大切になります。わきが手術は受けて終わりではなく、むしろその後のご自身のケアが重要だと考えてください

手術に伴う一般的な反応(合併症ではありません)

(1)痛み
手術後は麻酔が切れると多少の痛みがあります。術後に痛み止めを処方しますので、通常はそれを内服することで抑えられます。痛みの感じ方は人それぞれであり幅がありますが、術後日を経るにつれて段々となくなっていきます。

(2)出血
手術中に十分に止血していますが、術後は多少の出血があるのが普通です。
血液が中に溜まらないようにドレーン(細い管)を挿入していますので、それに誘導されて出てきた血液が圧迫用のガーゼに付着して赤くなります。

(3)腫れ
手術後はタイオーバーで脇を圧迫するために、前腕や手がむくむことがあります。圧迫を解除すれば徐々にむくみは引いていきます。

(4)つっぱり感(拘縮)
術後1ヶ月くらいが一番傷が硬くなるため、この時期が一番皮膚のつっぱり感を感じますが、時間とともに柔らかくなっていき徐々に収まっていきます。特に脂肪の少ない痩せ型の人に起こりやすいです。最終的に皮膚のつっぱり感が残ることは稀です。

(5)色素沈着(皮膚の黒ずみ)
程度の差はありますが、ほぼ必発します。基本的に時間とともに軽快していきます。元の肌の色に戻るには通常3ヶ月~1年程度、場合によっては2年あるいはそれ以上かかることがあります。

術後早期に起こる可能性のある合併症

(1)血腫
皮膚を剥離したスペースに血液が溜まってしまった状態です。溜まってしまった場合は血腫除去を行います。主として術後の安静が不十分な場合に起こります。

(2)感染・化膿
稀ではありますが、血腫ができた後に細菌が感染し化膿することがあります。化膿した部位を切開洗浄し清潔に保ちつつ軟膏処置を行います。

(3)皮膚壊死
わきがの手術では皮膚の下を裏打ちしているアポクリン腺をほぼ全部除去しています。そのため、その部分の皮膚は大きなダメージを受けています。その皮膚は生き残ることができないと壊死し、皮膚が一部欠損することになります。この場合、軟膏処置をして皮膚欠損部に周囲から皮膚が増殖して埋まってくるのを待ちます。この場合治癒には長期の時間を要すことがあります。

(4)創し開
皮膚切開部の傷が開くことです。開きの程度が少しであれば、通常軟膏処置で治っていきます。大きく開く場合は通院治療が必要となります。

(5)テープによるかぶれ
テープによる皮膚表面の剥離や水疱形成が起こることがあります。ステロイド剤の軟膏をごく短期間処方します。

(6)腕のしびれ
わきの下には手の感覚や運動を司る神経が走行していますが、これらはわきの下の非常に深い部分にあるため、この手術でそれらを損傷することはありません。
二の腕の内側の近くを司る神経が脇の下の浅い部分を走っていることがあり、二の腕の内側にしびれ感が出現することがあります。通常は時間と共に回復していきますが、極めて稀にしびれ感が残ることがあるといわれています。

術後しばらくしてから起こる可能性のある合併症

(1)肥厚性瘢痕
切開部の傷が盛り上がってくる状態です。盛り上がりを抑える薬(ステロイドの1種)を局所注射をしたり、場合によってはその部分を切除したりします。

(2)粉瘤
まだしっかりと皮膚がくっついていない間に毛穴を通して表皮成分が皮下に落ち込んでしまうと、垢などの老廃物が皮下に嚢胞(袋状のもの)を作って溜まる状態になることがあります。これを粉瘤(ふんりゅう)と言いますが、放置すると化膿することがあるので、切除が必要となります。

(3)セローマ(血清腫)
皮下にリンパ液が溜まった状態です。リンパ液を針で抜いて圧迫することで治ることもありますが、切開する場合もあります。
術後皮膚の接着がスムーズに行かずないと、ごく小さなセローマが多数残存して、術後しばらくたってから多発性に化膿することがあります。

(4)術後臭
稀に手術前と違う臭いになることがあると言われていますが、医学的に証明されたものではありません。臭いが薄まったために以前の臭いと異なって感じるという可能性もありますが、真偽の程は不明です。精神的疾患との関連も高いと考えられます。

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