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手術を受けることでどれ位臭いが改善するの?

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効果の判定方法

効果の判定方法

わきが手術の目的はアポクリン腺の除去ですが、100%完全に除去することは現実的には難しいと言わざるを得ません。また、仮に99%除去できたとして、1%残ったとしても、臭いが99%減ったと主観的に感じるわけではありません。
客観的に臭いを数値化することは現実的には極めて困難です。仮に臭いを客観的に数値化できたとしても、その数字と主観的な不快度とは比例しません。
そのため当院では手術の効果判定に、右のような調査票を利用して、手術を受けた方の主観的判断でどのくらい臭いや汗が減ったかを記入していただいた票を用いて手術の効果を評価しています。

治療効果の判定は、術後3ヵ月後の再診時に行っています。反転剪除法(保険適用手術)は原則片方ずつ行うため、タイミングが合えば術後6ヶ月のデータも収集しています。(以前は全例で術後6ヶ月までの追跡を行っておりましたが、術後6ヶ月の再診は一瞬だけの診察で終了となってしまうことがほとんどで、またご来院されない方も多かったため、現在は患者様の利便性を考え中止いたしております。今後は調査票の郵送による回収などで、長期的なデータも収集していく予定です。)

結果の集計

では早速集計の結果を見てみましょう。
上段が術後3ヶ月のデータで、下段が術後6ヶ月のデータ(反転剪除法)のデータです。
臭い、汗ともに手術前を100としたときの現在の状態を主観的数値で拾っています。
(つまり「臭い0」は「主観的に臭いを全く感じない、臭い100は主観的には全然変わっていないということを表しています。)
また、データは直近の100症例ずつを集計しています。

━ 術後3か月 ━

  臭い
マイクロシェーバー法 平均値
0.8
最小値
0
平均値
15.5
最小値
2
最大値
5
最大値
55
反転剪除法 平均値
2.1
最小値
0
平均値
19
最小値
0
最大値
10
最大値
100

━ 術後6か月 ━

  臭い
反転剪除法 平均値
5.7
最小値
0
平均値
23.6
最小値
0
最小値
65
最小値
100

予想外の驚きの結果!!

臭い
まずは臭いについて見ていきましょう。
術後3ヶ月の平均値はマイクロシェーバー法が0.8、反転剪除法が2.1という結果が出ました。
さらにバラツキですが、マイクロシェーバー法は最小値0最大値5、反転剪除法は最小値0最大値10で大きなバラツキは見られませんでした。これは良い結果と言えるでしょう。
ちなみに術後3ヶ月で臭いが0であると回答した方の割合は、マイクロシェーバー法で75%、反転剪除法で63%でした。

反転剪除法のみ6ヵ月後のデータがありますが、
術後6ヵ月後の平均値は反転剪除法で5.7、最小値0最大値65でした。
平均値を見ると良い結果と言えます。しかし、最大値65というのは結構大きな数字でした。ただし、これはこの1症例だけの突出した異常値で、これを除いた最大値は20でした。

以上のことより、マイクロシェーバー法、反転剪除法ともに良好な臭いの除去効果が得られ、
術後半年後の主観的な臭いの量は手術前の0~20%(平均約5%)となることが予測されると結論できます。

また、一見するとマイクロシェーバー法の方がやや治療効果が優れているような印象を受けます。これは予想外の結果なのですが、マイクロシェーバー法の方がより広範囲のアポクリン腺除去が可能であることが理由でより良い治療効果が得られている可能性が高いと考えられます。しかし、現状では反転剪除法の方がより確実性が高い治療であると考えている方が多いようで、反転剪除法を受けた方に重度のわきがの方がより多く含まれている可能性もあります。サンプルの偏りがある可能性を排除できないため、現時点ではマイクロシェーバー法の方がより効果が高いとまでは断言できないと考えます。

次に汗について見ていきましょう。

術後3ヶ月の平均値はマイクロシェーバー法で15.5、反転剪除法で19.0という結果が出ました。
また、マイクロシェーバー法は最小値2最大値55、反転剪除法は最小値0最大値100で、比較的大きなバラツキが見られました。これは後述する通り、バラツキが大きいのは予想通りの結果でした。

では、6ヶ月後のデータはどうでしょうか?
(臭い同様に反転剪除法のデータのみ)
術後6ヵ月後の平均値は反転剪除法で23.6、最小値0最大値100でした。
平均値を見るとまずまずですが、やはり非常にバラツキが大きいと言えます。80以上と回答した人の割合は10%、50以上と回答した人の割合は16%でした。

「わきが手術は多汗症にも効果あり」
この言葉自体は間違いではなく、正しいと言えます。実際にそのように宣伝する施設が多い状況です。しかし、実際の効果にはかなりのバラツキがあり、場合によっては元の状態と変わらない(と感じる)ことも少なくはないのです。
これは手術の手技に問題があるのではなく、汗を分泌するエクリン腺の存在する位置からくる当然の帰結です。臭いの元を分泌するアポクリン腺は皮下に存在するのに対して、汗を分泌するエクリン腺はほとんどが皮内にあります。そのため手術でこれを除去することはできません。手術後しばらくはエクリン腺に行く神経や血管が切断された状態のため汗が出ない状態ですが、創の治癒が進んでくると一旦切断された神経、血管がまたつながってくるため発汗が再開します。そして最終的にどの程度戻るかは結果の通り個人差が大きいのです。
そのような理由により、当院においてはわきが手術であるマイクロシェーバー法や反転剪除法を多汗症の手術としてはおすすめしていません。リスクもほとんどない他の有効な治療(ボツリヌストキシン注射やミラドライ)があることを考えると、多汗症の治療としてこれらの手術を行うことは良く考えてから行う必要があります。
脇の多汗症の治療としてはミラドライやボツリヌストキシンの注射がリスクもなくおすすめです。

結論

マイクロシェーバー法、反転剪除法ともに高い臭いの除去効果が得られる手術です。
両者に効果の差は検出できません。

現状では表面的にはマイクロシェーバー法が反転剪除法を上回る数字になっていますが、統計的には差が検出されませんでした(N=100)。マイクロシェーバー法の方がより広範囲に皮下アポクリン腺を除去可能であるため、今後はマイクロシェーバー法の結果が反転剪除法を上回る数字が出てくる可能性が高いと考えます。

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